「最近、親が散歩に行きたがらない」
「寝てばかりで筋力が落ちてきた気がする」
そんな変化に気づいたとき、それは“高齢者の危険サイン”かもしれません。
今回は、在宅介護でも知っておきたい
**「フレイル」と「生活不活発病(廃用症候群)」**について、
やさしく解説していきます。
フレイルとは?
フレイルは「健康」と「要介護状態」の中間にあたる段階で、
年齢とともに少しずつ筋力や心身の活力が衰えていく状態を指します。
具体的には:
- 体重の減少
- 疲れやすくなった
- 歩くのが遅くなった
- 活動量が減った
- 認知面や人との交流が減ってきた
こういった変化がゆるやかに重なり、
気づかないうちに要介護リスクが高まっていくのが特徴です。
生活不活発病(廃用症候群)とは?
一方、**生活不活発病(廃用症候群)**は
「急に動かなくなった」ことによって起こる問題です。
たとえば:
- 入院や骨折で数日間寝たきり
- 転倒がきっかけで「もう動きたくない」となってしまう
- 急な風邪や環境の変化で布団から出なくなった
その結果、筋力の低下、認知機能の低下、意欲の低下といった変化が急速に進みます。
フレイルと不活発病の違いは?
項目 | フレイル | 生活不活発病 |
---|---|---|
原因 | 加齢・活動量の低下 | 入院・怪我などによる急激な動かない期間 |
進行 | 徐々に弱っていく | 短期間で急激に弱っていく |
特徴 | 気づきにくい・見逃しやすい | 明らかに動かない時間がある |
どちらも**「動かないこと」**が大きなリスクになります。
家族ができる予防の工夫
- なるべく一緒に出かける機会を作る(買い物・散歩など)
- 食事を一緒にとるようにする(低栄養防止+会話が刺激に)
- 趣味や人との関わりを続ける環境をつくる
- 本人の「できること」を尊重する
「何かしてあげなきゃ」と思いがちですが、
“やってあげすぎ”が不活発を招くこともあります。
専門家と一緒に考えるのもOK
- 作業療法士や理学療法士に相談すれば、生活の中でできる運動や予防法を一緒に考えてくれます。
- 地域包括支援センターでも、介護予防や訪問リハの提案が受けられます。
家族だけで抱え込まず、早めにプロに頼ることも大切です。
まとめ
フレイルも生活不活発病も、
早めに気づいて「少しでも動くきっかけ」を作ることが大切です。
「もう年だから…」とあきらめる前に、
「まだできることがあるかも」と一緒に探していきませんか?
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