訪問看護の常勤換算とは?現場で苦しむ理由と仕組みをやさしく解説

はじめに

「常勤換算って何?」
訪問看護や介護事業所に関わる中で、よく出てくる言葉ですが、実は制度上の大切な指標のひとつ。
この記事では、常勤換算の意味や計算方法、現場での苦労について、実際の例をまじえて解説します。


常勤換算とは?

厚生労働省では「常勤職員1人分の勤務時間」に換算して人員体制を評価しています。
訪問看護ではこの常勤換算人数が「人員基準」「加算の算定」「報告義務」などに直結しています。


計算式はこちら

常勤換算人数 = 総勤務時間 ÷ 常勤職員の1週間の所定労働時間

  • 一般的には「40時間/週」で計算
  • パートや時短職員も勤務時間で算入可

【実例】常勤換算の計算

職員A(常勤)週40時間勤務 → 1.0人換算
職員B(パート)週20時間勤務 → 0.5人換算
職員C(パート)週10時間勤務 → 0.25人換算

合計:1.75人


現場でよくある悩み

  • 育休・産休・長期休業などで常勤が不在に
  • パートや非常勤の出勤が不安定で基準を満たせない
  • 求人しても常勤職員が確保できない

管理者・看護師・リハ職…誰を換算対象にする?

例えば「理学療法士が1名しかいない」場合も、換算人数が足りなければ、訪問看護ステーションの指定取消のリスクも。


書類上は足りていても、実態が追いつかないことも

制度上はクリアしていても、

  • 土日が回らない
  • 1人が複数職種を兼任している
  • 看護師とリハ職のバランスが悪い
    など、現場の「実働」と「数字」にギャップがあることがよくあります。

まとめ

常勤換算は「書類上の人数」だけでなく、
事業運営の根幹に関わる要素です。
数字だけでは語れない、現場の柔軟性・人材確保の難しさもぜひ知っておきましょう。

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この記事を書いた人

はじめまして。
当ブログ「ひとりじゃない おうち介護」運営者の とっちゃん です。

介護福祉士と作業療法士の資格をもち、これまで医療・介護の現場で10年以上の経験を積んできました。
現場では、在宅支援、施設ケア、認知症ケアに携わる一方、訪問看護ステーションにて管理者補佐として裏方業務・請求業務にも従事してきました。

このブログでは、

在宅介護に悩むご家族の方へ:制度や支援、ケアのコツをわかりやすく

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学生・試験勉強中の方へ:国家試験や実習のサポートになる情報も

それぞれの立場に寄り添った情報を発信しています。

制度の仕組みやケアの工夫は「知っているかどうか」で支援の質が変わります。
「ひとりじゃない」と思える情報発信を目指して、ていねいに更新していきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

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