お医者さんの給料は本当に高い?勤務医・開業医・診療科別に解説

はじめに

「お医者さんは給料が高い」とよく言われますが、実際はどうなのでしょうか。

今回は厚生労働省や各種統計のデータをもとに、勤務医と開業医の収入の違いや現場の実態、さらに私が感じているリアルな印象についても解説します。


世間のイメージと現実のギャップ

一般的に「医師=高収入」というイメージは強く、年収1,000万円以上と聞くと驚く人も多いと思います。

たしかに数字だけ見れば高収入に見えますが、その裏側には過酷な勤務体制や長時間労働、常に責任を負う精神的負担があります。

私自身、実際の働き方を知る中で「金額だけで高いかどうかは判断できない」と思っています。


勤務医の年収の目安

厚生労働省の統計によると、勤務医の平均年収は以下の通りです。

✅ 40代勤務医:1,200万円前後
✅ 30代勤務医:700~1,000万円程度
✅ 20代後半(研修医):400~600万円程度

一見すると十分高収入に見えますが、実際には

  • 日勤に加えて当直勤務(月数回)
  • 夜間や休日でも呼び出しがある
  • 実質の休みが月1~2日程度

こうした状況を考えると、月100万円前後でも少ないと感じるのが正直なところです。


開業医の収入の特徴

開業医になると収入は大きく変わります。

✅ 月収数百万円に上ることもある
✅ 経営が安定すれば高収入
✅ 自分の裁量で診療できる

一方で、設備投資・人件費・借入金の返済など負担も大きく、経営が軌道に乗らなければ収入は不安定です。

日本医師会の調査では、開業医の平均年収はおおむね2,000万円前後とされていますが、これは売上ベースであり、経費を引いた手取りではない点に注意が必要です。


科目別の収入差

診療科によって収入差はかなり大きくなります。

✅ 高収入の傾向
・美容外科
・整形外科
・心臓外科

✅ 比較的低めの傾向
・内科
・小児科
・精神科

外来中心の科は診療報酬が低めで、長時間働いても収入が伸びにくいのが現実です。


勤務医→開業医で変わること

勤務医から開業医になると、自由度は上がりますが責任も増えます。

✅ 勤務医:安定収入だが負担も大きい
✅ 開業医:高収入も可能だがリスクも背負う


給料の現実と「不正請求・ぼったくり」の問題

こうした負担とリスクの大きさから、残念ながら一部の開業医が不正請求や過剰診療、いわゆる「ぼったくり」に走るケースが報道されています

例えば、

  • 必要以上の検査を繰り返す
  • 保険適用外の高額医療を強く勧める
  • 診療報酬を不正に水増し請求する

こうした事例は決して多くはありませんが、「高収入=楽して稼げる」と誤解されがちな中で、経営に追われてモラルを失うリスクも現実に存在しています。

実際、収益を優先しすぎるあまり患者に不要な治療を勧めたり、保険制度を不正利用するクリニックが問題になっているのも事実です。


私が思う「医師の給料は高いか?」

正直に言うと、勤務医は決して給料が高いとは思いません

たしかに数字では1,000万円以上ですが、

  • 日勤・当直・呼び出しで拘束される
  • 休みは月に1~2日
  • 常に命を預かるプレッシャー

こう考えると「月100万円程度では安いのでは」と思います。

だからこそ、経営のストレスから一部の開業医が不正に走る背景も、全く理解できない話ではないと感じます。


実際のデータと平均値

厚労省「医師・歯科医師・薬剤師調査」
日本医師会「医業経営実態調査」

これらを見ても、「医師は一律で高収入」とは決して言えず、診療科や働き方で差が大きいことが分かります。


まとめ

お医者さんの給料は一見高収入に見えますが、
✅ 責任の重さ
✅ 長時間労働
✅ 経営リスク
を考えれば、必ずしも十分とは言えません。

その中で一部の開業医が不正請求や過剰診療に走る背景には、「生活を守るために収益を優先せざるを得ない現実」もあるのかもしれません。

医師という職業を「楽して稼げる」と誤解せず、負担と責任の大きさを知ってほしいと思います。

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この記事を書いた人

はじめまして。
当ブログ「ひとりじゃない おうち介護」を見ていただいてありがとうございます。

介護福祉士と作業療法士の資格をもち、これまで医療・介護の現場で10年以上の経験を積んできました。
現場では、在宅支援、施設ケア、認知症ケアに携わる一方、訪問看護ステーションにて管理者補佐として裏方業務・請求業務にも従事してきました。

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