医療・介護の現場で働く人たちは、「人の命や生活を支える」責任ある仕事を担っています。しかし、その責任の重さに比して、すべての職種が高収入とは限りません。本記事では、医療従事者の代表的な職種について、給料（年収）の高い順にランキング形式で解説します。
医療従事者とは？
医療従事者とは、医師や看護師だけでなく、リハビリ職、薬剤師、臨床検査技師、放射線技師、医療事務まで、医療機関に関わるすべての職種を指します。厚生労働省や求人サイトの平均年収データをもとに、代表的な職種の年収相場を見ていきましょう。
医療従事者の年収ランキング（高い順）
| ランク | 職種 | 平均年収（推定） |
|---|---|---|
| 1位 | 医師（勤務医） | 約1,200～1,800万円 |
| 2位 | 歯科医師 | 約700～1,200万円 |
| 3位 | 薬剤師 | 約550～650万円 |
| 4位 | 診療放射線技師 | 約500～600万円 |
| 5位 | 臨床検査技師 | 約450～550万円 |
| 6位 | 看護師（常勤） | 約450～550万円 |
| 7位 | 理学療法士・作業療法士 | 約400～500万円 |
| 8位 | 言語聴覚士 | 約380～470万円 |
| 9位 | 管理栄養士・栄養士 | 約350～450万円 |
| 10位 | 医療事務 | 約300～400万円 |
※ 上記は全国平均・常勤フルタイム勤務の目安です。勤務年数・施設種別・地域により大きく変動します。
各職種の収入とポイント解説
1位：医師
勤務医の年収はトップクラス。診療科によっても大きく差があり、脳外科や整形外科、麻酔科などは1500万円以上も珍しくありません。ただし、大学病院勤務などでは年収が抑えられるケースも。
ポイント：
・当直・オンコール・長時間労働あり
・開業医はさらに高収入になるがリスクも大きい
2位：歯科医師
自費診療の割合が多くなるほど年収は上がる傾向にあります。勤務医の場合は年収700万円程度からスタートしますが、開業で年収1,000万円超も可能です。
ポイント：
・保険診療主体だと収入は安定だが伸びにくい
・経営スキルによって年収に大きな差が出る
3位：薬剤師
病院よりも調剤薬局・ドラッグストア勤務の方が年収が高い傾向。夜勤がなく安定しているため、働きやすいが頭打ち感もあり。
ポイント：
・地方では薬剤師不足のため給与アップ傾向
・病院勤務は年収は下がるがチーム医療でやりがいあり
4位：診療放射線技師
放射線検査・CT・MRI・レントゲンなどを扱う専門職。放射線を扱うため、専門知識・スキルが求められ年収も高めです。
ポイント：
・病院勤務でも500万円以上の水準あり
・緊急撮影が多い職場では当直手当で増収も
5位：臨床検査技師
血液検査や心電図、超音波検査など、検査に特化した職種。診療放射線技師よりはやや年収が低めですが、夜勤のある職場では手当で増収あり。
ポイント：
・公務員採用では年収安定
・超音波検査士などの資格を持つと高待遇になることも
6位：看護師
夜勤・交代勤務の影響で手当が多く、一般職よりは高めの水準。経験年数や役職によって差が出やすい職種でもあります。
ポイント：
・夜勤月4回以上なら年収500万円台も
・管理職（師長・主任）になると600万円超も可能
7位：理学療法士・作業療法士
国家資格を持つリハビリ専門職。近年は新卒数の増加により飽和気味で、初任給は年収350万円前後。経験や管理職でようやく500万円台へ。
ポイント：
・訪問リハでの勤務はインセンティブで年収アップも
・医療・介護分野の兼務で月給が上がることもある
8位：言語聴覚士（ST）
STは患者数が限られるため、募集が少なく収入も上がりにくい職種です。病院よりも訪問リハビリや発達支援の分野での需要が高まっています。
ポイント：
・件数制でインセンティブ収入を得られる事業所もある
・発達分野での開業支援など独立ルートも視野に入る
9位：管理栄養士・栄養士
国家資格である管理栄養士は病院・福祉施設・学校給食など幅広く活躍しますが、給与面ではやや低め。役職者であっても年収400万円台が多い。
ポイント：
・資格を活かして独立・講師業に進む例もあり
・行政機関（保健所など）で安定志向の方にはおすすめ
10位：医療事務
資格不要でも就ける職種ですが、医療保険制度の知識が必要です。給与は全体的に低め。レセプト請求など専門性を極めると若干昇給あり。
ポイント：
・民間資格の取得で転職に有利
・在宅勤務できる「医療事務代行」などの新業態も登場
まとめ
医療従事者は「安定している」と言われがちですが、職種や働き方によって年収には大きな差があります。
- 高収入を得たいなら医師・薬剤師・放射線技師など専門性の高い分野へ
- ワークライフバランス重視なら、管理栄養士や医療事務も視野に
- リハビリ職は訪問系やマネジメント経験で収入アップが可能
自身のライフプランと照らし合わせ、働き方と収入のバランスを考えることが大切です。
コメント