要介護1〜5で使えるサービス一覧と限度額|自己負担・使えないサービスも徹底解説

介護保険で「要介護1〜5」と認定されると、本人や家族の生活に大きな変化が訪れます。
ですが、実際にどんなサービスが使えるのか、どこまでが自己負担になるのか、分かりづらいことも多いのではないでしょうか?

この記事では、要介護1から5までの認定区分ごとの利用限度額、自己負担、使えるサービス・使えないサービス、そして利用時の注意点までをわかりやすく解説します。


要介護とは?どんな状態?

「要介護」は、日常生活で継続的に介護が必要な状態であると、介護認定調査や医師の意見書をもとに市区町村が判断するものです。

区分状態の目安
要介護1一部に介助が必要(例:入浴時や掃除など)
要介護2要介護1よりも介助範囲がやや広くなる
要介護3移動・排泄・入浴・食事などに広範囲な支援が必要
要介護4ほとんどの基本動作に介助が必要
要介護5常に介助が必要。寝たきり状態に近いことも

要介護者が使える介護サービスの種類

要介護1〜5の方は、介護保険サービスの中でも「介護給付」に該当する幅広いサービスを利用できます。

✅ 主な在宅サービス

  • 訪問介護(ホームヘルプ)
     → 食事・入浴・排泄介助など
  • 訪問入浴介護
     → 自宅での入浴支援(専用浴槽持参)
  • 訪問看護/訪問リハビリ
     → 医師の指示に基づく看護・リハビリ支援
  • デイサービス(通所介護)
     → 食事・入浴・レクリエーション・送迎など
  • デイケア(通所リハビリテーション)
     → 理学療法士・作業療法士によるリハビリ中心
  • ショートステイ(短期入所)
     → 介護施設に短期間泊まるサービス
  • 福祉用具のレンタル・購入
     → 車いす、ベッド、ポータブルトイレなど
  • 住宅改修費支給
     → 手すり設置、段差解消、滑り防止など(最大20万円まで)

利用限度額と自己負担額(2024年度基準)

介護保険には「1か月あたりの支給限度額」が設定されており、その範囲内なら**原則1割(所得に応じて2割・3割)**の自己負担で利用可能です。

💴 月ごとの限度額(2024年度)

要介護度支給限度額自己負担(1割)
要介護1167,650円約16,765円
要介護2197,050円約19,705円
要介護3270,480円約27,048円
要介護4309,380円約30,938円
要介護5362,170円約36,217円

※自己負担は「1割」の場合。2割・3割負担者は所得により変わります。


要介護者が使えない主なサービス

介護保険制度はとても便利ですが、全ての支援が対象となるわけではありません
以下は、介護保険で対象外となる例です。

❌ 介護保険で使えないサービス例

  • 通院の付き添い・送迎(医療機関)
  • 日常の買い物代行(本人不在)や金銭管理
  • 調理・掃除などの「家事代行」のみ
  • 本人が不在中の家の見守り
  • 趣味や娯楽のための外出支援
  • 同居家族のための洗濯や料理

→ これらは「介護」として認められず、全額自己負担となります。
※ただし「通院の乗降介助」は特定条件下で一部対象となる場合もあります。


介護サービス利用時の注意点

📌 限度額を超えると全額自己負担に

月額の支給限度額を超えた部分は、介護保険が適用されず全額自己負担になります。サービス計画は必ずケアマネジャーと相談のうえ進めましょう。

📌 要介護度が変わると利用できるサービスも変わる

軽度(1・2)と重度(4・5)では、選べるサービスや支援の度合いが異なります。特に福祉用具のレンタル対象品目は要介護2以上からが多くなります。

📌 施設系サービスは種類と費用の違いに注意

特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院などの施設利用には、要介護度や施設条件、費用体系が大きく異なります。


サービスを上手に活用するポイント

  • 信頼できるケアマネジャーを選ぶ
     → ケアプランの質で使えるサービスに差が出ます
  • 在宅と施設のバランスを考える
     → 自宅介護が難しいときは、短期入所(ショートステイ)も選択肢に
  • 市区町村の窓口に相談する
     → 地域包括支援センターや介護保険課は親身に相談に乗ってくれます

まとめ

項目内容
要介護とは介助が継続的に必要な状態。1〜5の段階がある
使えるサービス訪問介護・デイサービス・訪問看護・ショートステイなど
月額限度額要介護1:約16万円 → 要介護5:約36万円(給付額)
自己負担原則1割(所得により2~3割)
使えないサービス家事代行・通院介助・買い物など、介護に該当しない行為
注意点限度額超過で全額負担、サービス選択に差がある、地域差もあり

📌 最後に

介護保険は複雑に感じますが、制度を理解して上手に使うことで、本人の生活の質を守り、家族の負担も軽減できます
わからないときは遠慮なく、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談しましょう。

「ひとりじゃないおうちブログ」では、これからも介護・医療に役立つ情報をわかりやすく発信していきます。

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この記事を書いた人

はじめまして。
当ブログ「ひとりじゃない おうち介護」運営者の とっちゃん です。

介護福祉士と作業療法士の資格をもち、これまで医療・介護の現場で10年以上の経験を積んできました。
現場では、在宅支援、施設ケア、認知症ケアに携わる一方、訪問看護ステーションにて管理者補佐として裏方業務・請求業務にも従事してきました。

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