介護施設や訪問看護、病院で働く“看護師”。
その中でよく耳にするのが「看護師」と「准看護師」という2つの資格です。
でも、家族として医療や介護サービスを受けるときに、
「この人はどっち?」と疑問に思ったことはないでしょうか。
また、訪問看護ステーションなど“雇う側”の現場では、両者の違いが経営にも直結しています。
今回は、家族目線と現場運営者目線の両方から、看護師と准看護師の違いを解説します。
Contents
✅ 基本的な違いまとめ
項目 | 看護師 | 准看護師 |
---|---|---|
資格 | 国家資格 | 都道府県知事免許(準国家資格) |
学歴 | 高校卒業後3年以上 | 中卒以上、2年課程 |
業務範囲 | 単独判断で看護可能 | 看護師・医師の指示下で業務を行う |
主な勤務先 | 病院/訪問看護/施設など | 病院/施設中心、訪問看護は制限あり |
👪 家族目線:「どちらに担当してもらっても大丈夫?」
→ 基本的に、患者が受けるケアの“質”に大きな差はありません。
ただし…
- 緊急時の判断は看護師の方がスムーズ
- 点滴・褥瘡ケアなどの判断や対応速度に差が出ることも
- 准看護師は基本的に誰かの指示がないと動けない
一方で、「人柄や経験値」によっては准看護師の方が寄り添ってくれるケースも多くあります。
大切なのは「資格」よりも、信頼できるか・丁寧に関わってくれるかです。
🩺 現場・訪問看護での“実際の違い”
訪問看護では、看護師と准看護師で制度上の制限がはっきりあります。
🧾 主な違いと制約
項目 | 看護師 | 准看護師 |
---|---|---|
診療報酬 | 通常報酬 | 一部減算あり(基本療養費など) |
単独訪問 | ○(可能) | ✖(不可) |
担当者会議 | 出席OK | 出席✖(医師・看護師のみ) |
計画書・報告書 | 作成・提出OK | 正式な作成・提出は不可 |
常勤換算 | 1.0人換算 | 0.5または非カウント |
💡 どう影響するか?
例えば、准看護師が1人で訪問した場合は報酬が下がり、売上に直結します。
また、居宅ケアマネとの連携や計画書の提出も「看護師」でなければ正式対応できないため、業務範囲が狭くなります。
💰 給与にも差がある理由
こうした制度上の制限があるため、多くの訪問看護ステーションや医療法人では…
求人時点で「看護師」と「准看護師」の給与を明確に分けていることがほとんどです。
たとえば:
- 看護師:月給28万〜32万
- 准看護師:月給23万〜26万(+業務内容も限定)
これは単なる職位の違いというより、**制度・収益・責任範囲の違いに基づく“現実的な差”**なのです。
🙋 よくある疑問・家族のチェックポイント
疑問 | 回答 |
---|---|
看護師か准看護師かを聞いていい? | OK。気になる場合は確認して問題なし |
ケアの質に差は? | 緊急判断や医師との連携では差が出ることもあるが、人柄・経験も重要 |
訪問看護ならどちらが担当? | 原則「看護師」。准看護師は補助的な立場が多い |
✅ まとめ
視点 | ポイントまとめ |
---|---|
家族目線 | 准看護師でも基本ケアに問題なし。ただし制度上の制約があることを知っておくと◎ |
雇用者目線 | 訪問看護での報酬減・業務制限の影響は大きく、給与にも反映される |
現場運営 | 計画書提出・会議出席・常勤換算など“制度上の壁”があるため、配置に工夫が必要 |
📌 最後に
准看護師と看護師の違いは、**単なる呼び名の差ではなく「制度・業務・責任範囲の違い」**です。
利用者・家族の立場としては、それを知ったうえで安心して任せられるかどうかを見極めることが大切です。
現場にいるスタッフたちは、看護師であれ准看護師であれ、目の前の方のために日々真剣に向き合っています。
知識を持ったうえで、現場への理解と信頼を持つことが、より良い支援につながる第一歩です。
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