住宅型有料老人ホーム、サ高住、特定施設、特養、老健の違い|施設選びに役立つ比較解説

「どの施設に入れば安心なの?」「サービス内容に違いがあってわからない…」
そんな声をよく聞きます。
家族が高齢になり、自宅での介護が難しくなったとき、選択肢に上がるのが介護施設。
でも、名前が似ている施設も多く、違いがわかりづらいのが現実です。

この記事では、代表的な高齢者施設5種について、わかりやすく比較しながら違いを説明していきます。


1. 施設の種類と分類

高齢者施設は、以下のように大きく分類されます。

  • 民間施設:住宅型有料老人ホーム/サービス付き高齢者向け住宅/介護付き有料老人ホーム(特定施設)
  • 公的施設:特別養護老人ホーム(特養)/介護老人保健施設(老健)

それぞれ目的やサービス体制が異なります。
「生活の支援」が中心か、「介護や医療ケア」が中心かが、大きな分かれ目です。


2. 各施設の特徴と違い【比較表】

以下の表に、対象者・介護サービス・医療対応・費用感などをまとめました:

※月額費用は地域差・居室形態・介護度などにより変動します。あくまで目安です。


施設名 対象者 介護サービス 医療対応 費用感(目安) 特徴
住宅型有料老人ホーム 自立〜要介護まで 外部の訪問介護等を利用 軽度のみ/医療連携が必要 月15〜25万円前後 生活支援中心/自由度高め
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) 自立〜要介護まで(要支援含む) 外部の訪問介護等を利用 軽度のみ/医療連携が必要 月10〜20万円前後 バリアフリー賃貸住宅/安否確認と生活相談つき
特定施設入居者生活介護(介護付き有料) 要介護1〜5 施設内スタッフによる介護サービスあり 比較的手厚い 月20〜30万円前後 施設サービス計画あり/日常生活の介護付き
特別養護老人ホーム(特養) 原則 要介護3以上 施設内スタッフによる介護サービスあり 重度対応可能(看取り含む) 月8〜15万円前後(所得連動) 公的施設/入居待ちが長い
介護老人保健施設(老健) 要介護1〜5 施設内スタッフによる介護+リハビリあり 中程度/リハビリ中心 月8〜15万円前後(所得連動) 在宅復帰を目指す中間施設

3. 利用するうえでの注意点

■ 住宅型・サ高住の注意点

いずれも介護サービスが別契約です。
要介護の方には訪問介護や通所介護などを組み合わせる必要があり、手続きが増えます。

■ 特定施設(介護付き有料)は月額がやや高め

そのぶん、施設内の職員がケアを一貫して対応してくれるため、安心感がある反面、自由度は低くなることも。

■ 特養・老健は「要介護3以上」が前提

公的施設のため費用は抑えられますが、入所待ちが多い/在宅復帰が前提の場合もあるため注意が必要です。


4. まとめ|“何を重視するか”が選択のカギ

施設選びで大切なのは「ご本人の希望」「ご家族の介護力」「医療ニーズ」「経済状況」などを総合的に判断することです。

目的別おすすめ傾向(例)
費用を抑えたい → 特養・老健
自由度が欲しい → 住宅型・サ高住
手厚い介護が必要 → 特定施設・特養
リハビリ重視 → 老健(ただし在宅復帰が原則)

見学や担当ケアマネとの相談を通じて、納得のいく選択をしていきましょう。

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この記事を書いた人

はじめまして。
当ブログ「ひとりじゃない おうち介護」運営者の とっちゃん です。

介護福祉士と作業療法士の資格をもち、これまで医療・介護の現場で10年以上の経験を積んできました。
現場では、在宅支援、施設ケア、認知症ケアに携わる一方、訪問看護ステーションにて管理者補佐として裏方業務・請求業務にも従事してきました。

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