介護保険で利用できるサービスまとめ|在宅・施設の種類を早見表で解説

「介護保険でどんなサービスが使えるの?」「自分の親に合ったサービスはどれ?」——介護が必要になったとき、多くの方がこう悩みます。介護保険サービスは種類が多く、仕組みも複雑で、何から調べればいいのか迷ってしまいますよね。

この記事では、作業療法士・介護福祉士・訪問看護ステーション管理者補佐の経験を持つ筆者が、介護保険サービスの全体像をわかりやすく整理しました。在宅・施設・地域密着型の3分類から、各サービスの詳細、費用の目安、利用するまでの手順まで、必要な情報をすべてまとめています。

Contents

この記事でわかること

  • 介護保険サービスの3つの分類(在宅・施設・地域密着型)
  • 在宅サービス15種類以上の内容・対象・費用目安
  • 地域密着型サービスの特徴と活用場面
  • 施設サービス5種類の違いと入所条件
  • 要介護度別に使えるサービス一覧
  • サービス利用開始までの流れ(要介護認定〜ケアプラン作成)
  • 区分支給限度額と自己負担割合の計算方法
  • よくあるケアプランの組み合わせ例

介護保険サービスの全体像

介護保険サービスは大きく3つのカテゴリーに分かれています。それぞれの特徴を理解することが、適切なサービス選びの第一歩です。

分類特徴主な対象
居宅サービス(在宅)自宅で生活しながら利用するサービス要支援1〜要介護5
地域密着型サービス市区町村が指定・監督する地域限定のサービス要支援1〜要介護5(種類による)
施設サービス施設に入所して24時間ケアを受けるサービス原則要介護1〜5

2024年度現在、要支援1・2の方は「介護予防サービス」または「総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)」を利用します。要介護1〜5の方は、より幅広いサービスを利用できます。

居宅サービス(在宅サービス)の詳細解説

居宅サービスは、住み慣れた自宅で生活を続けながら必要なサポートを受けるサービスです。訪問系・通所系・短期入所系・その他に分類されます。

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訪問系サービス

①訪問介護(ホームヘルプサービス)

ホームヘルパー(訪問介護員)が自宅を訪問し、日常生活のサポートを行います。

サービス内容身体介護(入浴・排泄・食事介助等)、生活援助(掃除・洗濯・買い物・調理等)
対象要介護1〜5(要支援は介護予防訪問介護または総合事業)
費用目安(1割負担)身体介護20分未満:167円、30分未満:250円、30〜60分:396円/生活援助20分以上45分未満:183円、45分以上:225円

ポイント:生活援助は「本人の生活に必要なもの」が対象です。家族の分の洗濯・掃除、来客用のお茶出しなどは対象外となります。

②訪問入浴介護

浴槽を積んだ専用車で自宅を訪問し、移動式浴槽を使って入浴介助を行います。

サービス内容看護師1名・介護職員2名のチームで自宅での入浴介助
対象要介護1〜5(自宅での入浴が困難な方)
費用目安(1割負担)1回:1,260円程度

③訪問看護

看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等が自宅を訪問し、療養上の世話や診療の補助を行います。

サービス内容健康状態の観察・管理、医療的処置(点滴・傷の処置等)、リハビリ、服薬管理、ターミナルケア等
対象要支援1〜要介護5(医師の指示書が必要)
費用目安(1割負担)訪問看護ステーションから30分未満:471円、30〜60分:818円/医療機関から30分未満:265円

筆者コメント:訪問看護は医療ニーズが高い方にとって非常に重要なサービスです。病院退院直後や、胃ろう・在宅酸素などの医療的管理が必要な方に積極的に活用してほしいサービスです。

④訪問リハビリテーション

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が自宅を訪問し、心身機能の維持・回復や日常生活動作の改善を図ります。

サービス内容機能訓練、日常生活動作(ADL)訓練、住宅改修のアドバイス、家族への介護指導
対象要支援1〜要介護5(医師の指示書が必要)
費用目安(1割負担)1回(20分):293円

⑤居宅療養管理指導

医師・歯科医師・薬剤師・管理栄養士等が自宅を訪問し、療養上の管理・指導を行います。

サービス内容投薬管理、栄養指導、口腔ケア指導、療養方針の説明・指導
対象要支援1〜要介護5
費用目安(1割負担)医師(居宅療養管理指導費Ⅰ):509円/薬剤師:565円(月2回まで)

通所系サービス

⑥通所介護(デイサービス)

施設に通い、食事・入浴・レクリエーション・機能訓練等のサービスを日帰りで受けます。

サービス内容食事・入浴介助、健康チェック、レクリエーション、機能訓練、送迎
対象要介護1〜5
費用目安(1割負担)要介護1・6〜7時間:655円〜/要介護3・6〜7時間:778円〜(規模・加算により異なる)

ポイント:デイサービスは介護者の休息(レスパイト)にもなります。週2〜3回の利用で介護者の負担を大幅に軽減できます。

⑦通所リハビリテーション(デイケア)

老人保健施設・病院・診療所等に通い、リハビリを中心としたサービスを受けます。

サービス内容理学療法・作業療法・言語療法等の専門的リハビリ、食事・入浴介助、送迎
対象要支援1〜要介護5(医師の診察が必要)
費用目安(1割負担)要介護1・6〜7時間:714円〜(施設の種類・規模により異なる)

デイサービスとデイケアの違い:デイサービスはレクや入浴が中心で医療職は少なめ。デイケアはリハビリが中心で、医師・理学療法士・作業療法士等の専門職が常駐しています。

短期入所系サービス

⑧短期入所生活介護(ショートステイ)

特別養護老人ホームや老人短期入所施設に短期間入所し、食事・入浴・日常生活上の世話を受けます。

サービス内容食事・入浴・排泄介助、機能訓練、レクリエーション
対象要支援1〜要介護5
費用目安(1割負担)要介護1・多床室:638円〜/日(食費・居住費は別途)
利用上限連続30日まで、区分支給限度額の範囲内

⑨短期入所療養介護(医療型ショートステイ)

老人保健施設・介護医療院・病院等に短期入所し、医療的ケアと生活援助を受けます。

サービス内容医療的管理・処置、リハビリ、日常生活援助
対象要支援1〜要介護5(医療ニーズが高い方)
費用目安(1割負担)要介護1・老健多床室:791円〜/日

その他の居宅サービス

⑩特定施設入居者生活介護

有料老人ホーム・軽費老人ホーム(ケアハウス)等に入居しながら、介護保険の給付対象となる介護サービスを受けます。

対象施設介護付き有料老人ホーム、ケアハウス(一部)
対象要介護1〜5(施設による)
費用目安(1割負担)要介護1:538円〜/日(別途施設利用料)

⑪福祉用具貸与

日常生活や介護に必要な福祉用具をレンタルします。

対象品目車いす・車いす付属品、特殊寝台(介護ベッド)・付属品、床ずれ防止用具、体位変換器、手すり(工事不要)、スロープ(工事不要)、歩行器、歩行補助つえ、認知症老人徘徊感知機器、移動用リフト(つり具除く)、自動排泄処理装置
費用目安(1割負担)レンタル料の1割(品目・状態によりさまざま)
注意点要介護度により利用できない品目あり(例:要支援・要介護1の方は原則として車いす・特殊寝台等は使えない)

⑫特定福祉用具購入

レンタルになじまない福祉用具(排泄・入浴関連)を購入する際に費用の一部が支給されます。

対象品目腰掛便座、入浴補助用具(シャワーチェア・浴槽用手すり等)、簡易浴槽、移動用リフトのつり具、排泄予測支援機器
支給限度額年間10万円(1〜3割は自己負担)

⑬住宅改修

自宅に手すりを付けたり、段差をなくすなどの小規模な改修工事に費用が支給されます。

対象工事手すり取り付け、段差の解消、滑り止め・移動の円滑化のための床材変更、引き戸等への扉交換、洋式便器への交換等
支給限度額20万円(1〜3割は自己負担)
注意点工事前に市区町村への事前申請が必要

⑭居宅介護支援(ケアマネジメント)

介護支援専門員(ケアマネジャー)が利用者の状態・希望に合わせてケアプランを作成し、各サービス事業者との連絡調整を行います。利用者の自己負担はありません(全額介護保険給付)。

地域密着型サービスの詳細

地域密着型サービスは住み慣れた地域での生活継続を支えるために創設されたサービスです。原則としてそのサービスを提供する市区町村に住んでいる方のみが利用できます。

①小規模多機能型居宅介護

「通い」を中心に、「訪問」「宿泊」を柔軟に組み合わせて提供するサービスです。

特徴1つの事業所が通い・訪問・宿泊をすべて提供。顔なじみのスタッフによる継続的ケア
対象要支援1〜要介護5
費用目安(1割負担)要介護1:10,320円〜/月(月額定額制)
利用定員登録定員29名以下、通い定員18名以下

②認知症対応型通所介護

認知症の方を対象とした少人数制のデイサービスです。通常のデイサービスより手厚いケアが受けられます。

対象要支援1〜要介護5の認知症の方
定員12名以下
費用目安(1割負担)要介護1・6〜7時間:926円〜

③認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

認知症の方が少人数(5〜9名)で共同生活を送りながら、日常生活上の介護や機能訓練を受けます。

特徴家庭的な雰囲気、役割のある生活(料理・掃除等)、認知症ケアの専門スタッフ
対象要支援2〜要介護5の認知症の方(要支援1は利用不可)
費用目安(1割負担)要介護1:750円〜/日(別途居住費・食費)

④定期巡回・随時対応型訪問介護看護

24時間365日、定期的な巡回訪問と随時対応(コールによる緊急訪問)を組み合わせたサービスです。

特徴1日複数回の短時間訪問が可能、24時間対応、介護・看護の一体的提供
対象要介護1〜5
費用目安(1割負担)要介護1・訪問看護なし:5,697円〜/月(月額定額制)

⑤夜間対応型訪問介護

夜間(18時〜翌8時)に定期的な巡回訪問や緊急時の随時訪問を行います。

対象要介護1〜5
費用目安(1割負担)基本夜間対応型訪問介護費:989円〜/月+定期巡回サービス費・随時訪問サービス費

⑥看護小規模多機能型居宅介護(看多機)

小規模多機能型居宅介護に訪問看護を組み合わせ、医療ニーズの高い方に対応します。

特徴通い・訪問・宿泊+訪問看護が1か所で。医療的ケアが必要な方の在宅生活を強力に支援
対象要介護1〜5(特に医療ニーズが高い方)
費用目安(1割負担)要介護1:12,450円〜/月(月額定額制)

施設サービスの詳細比較

施設サービスは24時間の専門的なケアが受けられるサービスです。どの施設が適しているかは、医療ニーズ・要介護度・費用などで異なります。

施設名特徴入所条件費用目安(1割)待機期間
特別養護老人ホーム(特養)終身入所が基本。介護に特化した施設原則要介護3以上要介護3・多床室:日額1,578円〜(食費・居住費別)数か月〜数年
介護老人保健施設(老健)リハビリ中心。在宅復帰を目指す施設要介護1〜5要介護3・在宅強化型多床室:日額1,066円〜比較的短い
介護医療院医療と介護の両立。長期療養が必要な方向け要介護1〜5要介護3・Ⅰ型多床室:日額1,000円前後施設による
介護療養型医療施設2024年3月末で廃止済み→介護医療院に移行廃止
特定施設入居者生活介護有料老人ホーム等での介護保険サービス要介護1〜5(施設による)要介護3:日額796円〜(別途施設費)施設による

特養・老健・介護医療院の使い分け

  • 特養:「今後もずっと施設で生活したい」「要介護3以上で在宅が困難」な方に。費用が比較的安く、終身入所が可能
  • 老健:「入院後にリハビリをして自宅に戻りたい」「在宅生活に向けて体力・機能を回復したい」方に。3〜6か月を目安に在宅復帰を目指す
  • 介護医療院:「胃ろう・気管切開・人工呼吸器など医療的ケアが必要で、長期的に施設で過ごしたい」方に

要介護度別に使えるサービス一覧

要介護度によって利用できるサービスの種類と区分支給限度額が異なります。

要介護度区分支給限度額(月額)1割負担の上限目安主に使えるサービス
要支援150,320円約5,032円介護予防訪問介護(総合事業)、介護予防通所介護(総合事業)、福祉用具貸与(一部)、介護予防訪問看護等
要支援2105,310円約10,531円要支援1に加え、小規模多機能型居宅介護(介護予防)、グループホーム(介護予防)等
要介護1167,650円約16,765円訪問介護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具貸与(一部制限あり)等
要介護2197,050円約19,705円要介護1に加え、特養入所は困難(原則要介護3以上のため)
要介護3270,480円約27,048円要介護2に加え、特養入所が可能に。訪問介護・デイ・ショートを組み合わせたケアが充実
要介護4309,380円約30,938円要介護3と同様。重度の身体介護が必要な方向け
要介護5362,170円約36,217円最重度。訪問介護の夜間・早朝対応、定期巡回・随時対応型等の活用も検討

※2024年度の区分支給限度額です。1割・2割・3割のどの負担割合になるかは、所得により異なります。

介護サービスを利用するまでの手順

「介護保険を使いたい」と思っても、すぐにサービスを利用できるわけではありません。要介護認定を受けてからサービス利用開始までの流れを確認しましょう。

STEP1:要介護認定の申請

お住まいの市区町村の介護保険担当窓口か、地域包括支援センターに申請します。本人・家族・ケアマネジャー・地域包括支援センターが代行申請できます。

必要書類:申請書、被保険者証(65歳以上)、本人確認書類、かかりつけ医の情報(主治医意見書の作成依頼のため)

STEP2:認定調査・主治医意見書

市区町村の調査員が自宅等を訪問し、心身の状態を確認する「認定調査」を行います。同時に、かかりつけ医が「主治医意見書」を作成します。

調査内容:74項目(起き上がり・歩行・食事・排泄等のADL、認知症の行動・心理症状等)

STEP3:審査・判定(認定まで約30日)

コンピュータによる一次判定→介護認定審査会による二次判定を経て、要介護度が決定されます。申請から原則30日以内に通知が届きます。

判定結果:非該当(自立)/要支援1〜2/要介護1〜5

STEP4:ケアマネジャーの選択

要介護1〜5の方は居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)に連絡し、担当ケアマネジャーを決めます。要支援1〜2の方は地域包括支援センターが担当します。

ケアマネを選ぶポイント:自宅に近い・本人・家族と相性がいい・専門性(医療や認知症等の得意分野)・担当件数(少ないほど手厚い対応が期待できる)

STEP5:ケアプランの作成

ケアマネジャーが本人・家族の状況・希望を聞き取り(アセスメント)、介護目標と利用するサービスを定めた「ケアプラン(居宅サービス計画)」を作成します。

STEP6:サービス利用開始

ケアプランに基づき、各サービス事業者と契約してサービスを利用開始します。月1回はケアマネジャーが自宅を訪問しモニタリングを行います。状態が変わればケアプランを見直します。

ケアプランの重要性

ケアプランは、介護保険サービスを利用するうえで中心的な役割を果たす計画書です。

ケアマネジャーによるケアプランvs.セルフケアプラン

ケアマネジャーに依頼セルフケアプラン(自己作成)
費用無料(全額介護保険給付)無料
手間少ない(ケアマネが調整・手続き)多い(自分で事業者調整・申請が必要)
専門性高い(医療・介護の知識を活用)低い(医療ニーズの見落としリスク)
向いている人ほぼすべての方介護知識が十分ある方・特定の事情がある場合

筆者の意見:セルフケアプランは費用も同じで手間だけ増えます。よほどの事情がない限り、ケアマネジャーに依頼することを強くおすすめします。

介護サービスにかかる費用の目安

自己負担割合

介護保険サービスの自己負担は、所得に応じて1割・2割・3割のいずれかです(2024年度基準)。

負担割合対象となる方(65歳以上)
1割2割・3割に該当しない方(多くの方)
2割本人の合計所得金額が160万円以上280万円未満で、同一世帯の第1号被保険者の年金収入+その他の合計所得金額が単身280万円以上等
3割本人の合計所得金額が220万円以上で、同一世帯の第1号被保険者の年金収入+その他の合計所得金額が単身340万円以上等

高額介護サービス費

1か月に支払った自己負担額が上限額を超えた場合、超えた分が後で払い戻されます。

区分月額上限
課税所得690万円以上140,100円
課税所得380万円以上690万円未満93,000円
課税所得145万円以上380万円未満44,400円
世帯全員が住民税非課税24,600円
前年の合計所得+年金収入が80万円以下等15,000円(個人)

よくあるケアプランの組み合わせ例

ケース1:軽度(要介護1〜2)一人暮らしの方

75歳女性・要介護1・認知症初期・一人暮らし

  • 訪問介護(生活援助)週3回:買い物・掃除・洗濯サポート
  • 通所介護(デイサービス)週2回:食事・入浴・社会交流
  • 福祉用具貸与:歩行補助杖・手すり(工事不要型)
  • 毎月の費用目安:自己負担約8,000〜12,000円

ケース2:中等度(要介護3)家族同居の方

82歳男性・要介護3・脳卒中後遺症・妻と同居

  • 訪問介護(身体介護)週3回:朝の起床・排泄・食事介助
  • 通所リハビリ(デイケア)週2回:機能訓練・入浴
  • 訪問看護週1回:バイタル管理・服薬確認
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)月4泊:介護者休息のため
  • 福祉用具貸与:特殊寝台・車いす
  • 毎月の費用目安:自己負担約25,000〜30,000円

ケース3:重度(要介護5)医療的ケアが必要な方

78歳女性・要介護5・胃ろう・寝たきり・家族と同居

  • 訪問看護週3回:胃ろう管理・全身状態観察
  • 訪問介護(身体介護)週5回:清拭・体位変換・排泄介助
  • 訪問入浴週2回:入浴介助
  • 短期入所療養介護(医療型ショートステイ)月7泊:介護者休息
  • 福祉用具貸与:特殊寝台・体位変換器・床ずれ防止用具・吸引器等
  • 毎月の費用目安:自己負担約30,000〜36,000円(限度額近辺)

サービス選びのポイントと注意点

①本人の「希望」を最優先に

介護サービスは本人のためのもの。「家族が楽になるため」だけでなく、本人が何を大切にしているか・どんな生活を送りたいかを軸にケアプランを組みましょう。

②在宅か施設かを早めに検討する

特別養護老人ホームは待機期間が長いため(平均1〜3年)、まだ在宅介護が続けられる時期から入所申し込みをしておくことが現実的です。

③サービスの「質」を見極める

事業所の介護報酬加算の取得状況(特定事業所加算、認知症専門ケア加算等)を確認すると、ケアの質の目安になります。「介護サービス情報公表システム」(公式サイト)で事業所を比較できます。

④区分支給限度額を超える場合は全額自己負担

限度額を超えたサービス利用は全額自己負担になります。ケアマネジャーと相談し、限度額内で優先度の高いサービスを選ぶことが重要です。

⑤介護者の負担も考慮する

介護は長距離マラソンです。介護者自身が倒れてしまっては元も子もありません。ショートステイや訪問介護を定期的に入れて介護者の休息(レスパイト)を確保することも重要なケアプランの考え方です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 要介護認定を受けていなくてもサービスを使えますか?

A. 介護保険サービスは、要介護・要支援の認定を受けた方のみが利用できます。ただし、認定申請中でも「暫定ケアプラン」を作成することで、認定前からサービスを利用し始められる場合があります(認定後に要介護度が確定します)。

Q2. 40歳未満でも介護保険サービスは使えますか?

A. 原則として65歳以上の方が対象ですが、40〜64歳(第2号被保険者)の方は、16種類の特定疾病(がん末期・関節リウマチ・脳血管疾患・筋萎縮性側索硬化症等)が原因の場合に限り利用できます。

Q3. ケアマネジャーは途中で変更できますか?

A. 変更できます。担当ケアマネジャーとの相性が合わない、連絡がとりにくい、対応が不満などの場合は、別の居宅介護支援事業所に変更できます。地域包括支援センターに相談すると適切な事業所を紹介してもらえます。

Q4. 介護保険と医療保険は同時に使えますか?

A. 基本的に同じサービスの二重利用はできませんが、訪問看護については特定の条件(厚生労働大臣が定める疾病等や急性増悪時など)で医療保険が適用される場合があります。医師や訪問看護師に確認しましょう。

Q5. 認定の有効期限が切れたらどうなりますか?

A. 認定には有効期間(初回は原則6か月、更新は最長48か月)があります。有効期限が切れる60日前から更新申請ができます。更新を忘れると介護保険が使えなくなるので、早めの手続きを心がけましょう。

Q6. 施設に入っても在宅サービスは利用できますか?

A. 施設サービス(特養・老健・介護医療院)に入所中は、原則として居宅サービスは利用できません。ただし、有料老人ホームや高齢者住宅に入居しながら、居宅サービスや特定施設入居者生活介護を利用することは可能です。

Q7. 要介護度に不満がある場合、どうすればいいですか?

A. 認定結果に不満がある場合、①区分変更申請(状態が変わった場合)または②不服申し立て(審査請求)(認定結果が不当だと思う場合)ができます。不服申し立ては結果通知から60日以内に都道府県の介護保険審査会に申請します。

Q8. 認知症でも在宅サービスを利用できますか?

A. もちろん利用できます。認知症の方には、認知症対応型デイサービス・グループホーム・小規模多機能型居宅介護など、認知症ケアに特化したサービスがあります。また定期巡回・随時対応型サービスは、認知症による夜間の混乱時にも対応できます。

まとめ

介護保険サービスは在宅・地域密着型・施設の3分類で、それぞれに多様なサービスがあります。大切なのは、本人の希望・生活スタイル・医療ニーズ・家族の介護力を総合的に考えてサービスを選ぶことです。

一人で悩まず、まずは地域包括支援センター(最寄りの市区町村窓口で案内してもらえます)に相談してください。専門家が一緒に最適なサービスを考えてくれます。

また、このブログでは介護・医療に関する情報を専門家の視点から発信しています。ぜひ関連記事も参考にしてください。

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この記事を書いた人

はじめまして。
当ブログ「介護医療キャリアガイド」を見ていただいてありがとうございます。

介護福祉士と作業療法士の資格をもち、これまで医療・介護の現場で20年以上の経験を積んできました。
現場では、在宅支援、施設ケア、認知症ケアに携わる一方、病院の相談員業務にも従事しています。

このブログでは、

在宅介護に悩むご家族の方へ:制度や支援、ケアのコツをわかりやすく

介護・医療職として働く方へ:現場のリアルや働き方・転職のヒントを

学生・試験勉強中の方へ:国家試験や実習のサポートになる情報も

それぞれの立場に寄り添った情報を発信しています。

「知っているかどうか」で支援の質が変わる——そんな情報を、ていねいにお届けします。

どうぞよろしくお願いいたします。

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