「最近、物忘れがひどくなった」「夜中に徘徊するようになった」——在宅介護の現場で認知症の症状への対応は避けて通れません。
この記事では、認知症の主な種類と症状の違い、そして在宅介護で知っておくべき対応のポイントを解説します。
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認知症の主な4つの種類
①アルツハイマー型認知症(最多・全体の約70%)
脳にアミロイドβなどのたんぱく質が蓄積し、神経細胞が徐々に壊れていく病気です。記憶障害(特に最近の出来事を忘れる)から始まり、ゆっくりと進行します。
- 初期:同じことを何度も聞く、物の置き場所を忘れる
- 中期:日付・場所がわからなくなる、調理・金銭管理が困難に
- 後期:家族の顔がわからなくなる、歩行困難、寝たきりへ
②レビー小体型認知症
脳にレビー小体というたんぱく質が蓄積する病気。幻視(いないはずの人や虫が見える)が特徴的で、パーキンソン症状(歩行困難・手の震え)を伴うことも多いです。
認知機能の「波」が大きく、良い日と悪い日の差が激しいのも特徴です。
③血管性認知症
脳梗塞・脳出血など脳血管障害の後遺症として起こります。障害を受けた部位によって症状が異なり、「まだらボケ」(できることとできないことの差が大きい)が見られることがあります。
④前頭側頭型認知症
前頭葉・側頭葉が萎縮する比較的まれな認知症。記憶よりも性格・行動の変化(社会性の低下・同じ行動の繰り返し・食行動の異常)が目立ちます。比較的若い世代(65歳未満)にも発症します。
在宅介護で知っておくべき対応のポイント
①否定しない・訂正しない
「そんなことない」「さっきも言ったでしょ」という対応は混乱や不安を増やします。まずは本人の言葉・感情を受け止めることが大切です。
②安心できる環境をつくる
見慣れた家具・写真・日課を保つことが安心感につながります。急な環境変化は混乱(せん妄)のきっかけになることがあります。
③BPSD(周辺症状)への対応
徘徊・暴言・拒否・不眠などのBPSD(行動・心理症状)は、「何かを訴えているサイン」として受け止めましょう。原因(痛み・空腹・不安など)を探ることで改善することがあります。
④介護者自身を守る
認知症介護は長期戦です。デイサービスやショートステイを活用して、介護者自身が休める時間を確保することが、在宅介護を長続きさせる鍵です。
まとめ
認知症は種類によって症状や進行の仕方が異なります。「なぜこんな行動をするのか」を理解することで、介護の対応が変わります。一人で抱え込まず、地域包括支援センターや認知症の専門機関にも相談しながら進めていきましょう。
認知症の早期発見チェックリスト
以下の項目に複数当てはまる場合、かかりつけ医や地域包括支援センターへの相談をおすすめします。
- □ 同じことを繰り返し聞く・話す
- □ 財布・眼鏡などを置いた場所がわからなくなった
- □ 日付や曜日が頻繁にわからなくなった
- □ 料理の手順がわからなくなった
- □ 以前できていた趣味・家事が続かなくなった
- □ 性格や感情の変化が目立つようになった(怒りっぽい・無関心など)
認知症介護の相談窓口
- 地域包括支援センター:認知症の初期相談・サービス案内に対応
- 認知症初期集中支援チーム:医療・介護専門職が自宅を訪問してサポート
- 認知症カフェ:認知症の方・家族・専門職が気軽に集える場所(全国に多数)
- 認知症の人と家族の会:家族同士が支え合うピアサポート団体
一人で抱え込まず、早めに専門機関につながることが、本人と介護者両方の負担を軽減します。

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