高齢者の施設を探していると、「有料老人ホーム+デイサービス併設」という施設に出会うことが多いはずです。なぜこのような一体型施設がこれほど多いのでしょうか?
実は、介護保険制度の仕組みや経営上の事情、利用者へのメリットなど、複数の要因が重なっています。この記事では、介護福祉士・作業療法士として現場経験を持つ筆者が、一体型施設が多い理由をわかりやすく解説します。施設選びの判断材料にも役立てていただけると思います。
Contents
この記事でわかること
- 有料老人ホームの種類と制度的な違い
- 住宅型有料老人ホームで外部サービスが必要な理由
- デイサービスが一体化されやすい3つの理由
- サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)との比較
- 一体型施設のメリット・デメリット(利用者・家族視点)
- 厚生労働省が問題視している点と行政の取り組み
- 施設見学でチェックすべき10項目以上
- よくある質問(FAQ)
有料老人ホームの種類と違いをおさらい
「有料老人ホーム」と一口に言っても、制度上は大きく3種類に分かれています。まずここを整理しておくと、なぜ一体型が多いかが理解しやすくなります。
①介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)
都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。施設内に介護スタッフが常駐し、入居者の介護を施設職員が直接提供します。介護報酬は入居者のケア度に応じた「包括払い」で、施設が一括して受け取ります。
| 項目 | 介護付き有料老人ホーム |
|---|---|
| 介護提供者 | 施設職員(内部) |
| 介護報酬の受け取り方 | 包括払い(施設一括) |
| デイサービス併設率 | 約23.7%(比較的少ない) |
| 特徴 | 施設が介護を一元管理できる |
②住宅型有料老人ホーム
特定施設の指定を受けていないタイプの有料老人ホームです。あくまで「居住の場」を提供するのが主たる目的で、介護が必要な場合は外部の居宅サービス事業者を利用します。自宅にいるのと同じように、訪問介護・デイサービス・訪問看護などの介護保険サービスを個別に組み合わせる形です。
| 項目 | 住宅型有料老人ホーム |
|---|---|
| 介護提供者 | 外部の居宅サービス事業者 |
| 介護報酬の受け取り方 | 出来高払い(サービス利用ごと) |
| デイサービス併設率 | 約79.1%(非常に多い) |
| 特徴 | 自由にサービスを組み合わせられる反面、管理が複雑 |
③健康型有料老人ホーム
介護度が低く、比較的自立した方を対象とした施設です。レストランやレクリエーション施設が充実しており、「老後の住まい」としての色合いが強い。介護が必要になると退去を求められる施設も多いため、注意が必要です。
住宅型有料老人ホームの制度的仕組み:なぜ外部サービスが必要か
住宅型有料老人ホームが一体型になりやすい根本的な理由は、介護保険制度の仕組みにあります。
「住まい」と「介護」が法的に分離されている
住宅型有料老人ホームは老人福祉法に基づく「住まいの提供」が本来の役割です。介護保険法上、施設が直接介護サービスを提供する「特定施設」の指定を受けていないため、介護が必要な入居者には別途「居宅サービス」として各種介護保険サービスを手配する必要があります。
つまり法制度上、住宅型有料老人ホームは「居住の場(ハード)」を提供するだけであり、介護サービス(ソフト)は別の事業者が担う建付けになっているわけです。
居宅ケアマネジャーがサービスを組み立てる
入居者には在宅と同様に「居宅介護支援事業所」のケアマネジャー(介護支援専門員)がつき、ケアプランを作成します。そのケアプランに基づいて、訪問介護・デイサービス・訪問看護・福祉用具など、必要なサービスを組み合わせて利用します。
このとき、「施設の敷地内にデイサービスがある」という状況だと、入居者の移動の手間が省け、ケアマネからも提案しやすいため、自然と併設のデイサービスが選ばれやすくなります。
デイサービスが併設される3つの理由(詳細解説)
理由①:介護保険制度上の相性の良さ
住宅型有料老人ホームの入居者は、介護が必要になった際に外部の居宅サービスを利用します。その中で「デイサービス(通所介護)」は非常に重要な役割を担います。
デイサービスでは以下のサービスが提供されます:
- 入浴介助(週2〜3回程度)
- 食事提供(昼食)
- 機能訓練(リハビリ)
- レクリエーション・趣味活動
- 社会交流・孤立防止
住宅型有料老人ホームが自前のお風呂設備で入浴介助を行うと、職員配置やスペースの面でコストがかかります。しかし、同一敷地内にデイサービスがあれば、入居者はそちらで入浴でき、施設側の負担を大きく減らせます。
さらに「ホームの居室はあくまで生活の場、日中のケアはデイサービスで」という役割分担ができるため、限られたスタッフでも質の高いケアが提供しやすくなります。
理由②:人員・コストの効率化(施設経営の視点)
介護業界は深刻な人手不足に直面しています。厚生労働省の調査では、2040年には約69万人の介護人材が不足すると予測されています。そんな状況の中、一体型施設は次のような人員効率化が可能です。
- 兼務体制:日中はデイサービス業務、夜間・早朝はホームの夜勤・早番という勤務シフトで、同じ職員が両施設を掛け持ちできる
- 研修・採用の一本化:人材採用や育成コストをまとめられる
- 設備の共用:浴室・調理設備・事務所などを共有することで、設備投資を圧縮できる
- 管理職の兼務:施設長や介護主任が両施設を統括できる
これは「人手不足への現実的な対応策」であり、施設経営者が一体型を選ぶ主要な動機のひとつです。ただし後述するように、過度な兼務体制はサービス品質の低下リスクにもつながります。
理由③:収益の安定化(介護報酬の出来高払い)
住宅型有料老人ホームとデイサービスを一体型で運営する場合、介護報酬の仕組みから見て非常に安定した収益構造が生まれます。
介護付き有料老人ホームは「包括払い」のため、入居者に提供したサービス量に関わらず、固定の介護報酬が施設に入ります。これに対し住宅型+デイサービスの一体型は「出来高払い」です。入居者がデイサービスを多く利用するほど、施設グループ全体で受け取る介護報酬が増える仕組みです。
具体的には:
- 入居者がデイサービスに週5回通う → その分だけ通所介護報酬が発生
- 訪問介護も同一法人が運営していれば → 訪問介護報酬も発生
- 居宅介護支援事業所(ケアマネ)も同一法人 → ケアマネ報酬も発生
このように、一体型(同一法人グループ)で複数の介護サービスを担えば、1人の入居者から複数の介護報酬を受け取ることができます。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)との比較
「サ高住」も一体型になりやすい施設のひとつです。住宅型有料老人ホームと混同されやすいため、ここで整理しておきます。
| 比較項目 | 住宅型有料老人ホーム | サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) |
|---|---|---|
| 根拠法 | 老人福祉法 | 高齢者住まい法 |
| 最低限のサービス | 食事・洗濯・掃除等の生活支援 | 安否確認・生活相談(必須) |
| 介護サービスの提供方法 | 外部の居宅サービスを利用 | 外部の居宅サービスを利用 |
| デイサービス併設率 | 約79.1% | 約83.4% |
| 契約形態 | 利用権方式が多い | 賃貸借契約(建物賃貸借または終身建物賃貸借) |
| 退去リスク | 重度化・認知症で退去になる場合も | 原則、介護状態が変わっても住み続けられる |
サ高住は賃貸借契約であるため、住宅型有料老人ホームよりも「住まいとしての権利」が強く守られています。一方、最低限義務付けられているサービスは「安否確認と生活相談」のみなので、介護サービスの充実度は施設によって大きく異なります。
また、サ高住のデイサービス併設率は約83.4%と、住宅型有料老人ホームの79.1%を上回ります(厚生労働省調査)。これは、サ高住も同様の制度的背景(外部サービス利用)を持つためです。
一体型施設のメリット
利用者・家族にとってのメリット
- 移動の負担が少ない:デイサービスへの送迎が施設内で完結するか、徒歩数分の移動で済む。体力が低下した方でも通いやすい
- 情報共有がスムーズ:ホームとデイサービスが同一法人であれば、日中のデイでの様子が夜間のホームスタッフにも共有されやすい
- 緊急時の対応が早い:デイサービス中に体調が急変した場合、すぐに居室に戻ったり、施設内の看護師に対応してもらいやすい
- 顔なじみの職員に囲まれる:ホームとデイの職員が同じ(あるいは顔見知り)であることで、入居者が安心感を持ちやすい
- 費用の見通しが立てやすい:サービスを一括して利用することで、月々の概算費用がわかりやすい
施設(運営者)にとってのメリット
- スタッフの効率的な配置・兼務が可能
- 複数の介護報酬を同一グループ内で受け取れる安定した収益構造
- 入居者の介護需要が高まるほど収益が増える仕組み
- 施設稼働率が高まりやすい(デイサービス利用者がそのまま入居につながることも)
一体型施設のデメリット・注意点
①デイサービスの定休日に注意
一体型施設で最もよくある問題が「デイサービスの定休日」です。一般的なデイサービスは週に1〜2日(日曜日+もう1日など)が定休日になっています。
通常の自宅での在宅介護であれば「定休日は別の事業所のデイに行く」「その日は訪問介護を増やす」といった対応が取れます。しかし一体型施設の場合、ケアプランが「施設内デイに週5回通う」前提で組まれていると、定休日には入浴・食事・日中の見守りのすべてが施設内で完結できなくなります。
この「定休日問題」は、入居者の日常生活に直接影響するため、家族が施設見学の際に必ず確認すべき点のひとつです。
②過剰な介護サービス利用(介護報酬の過剰請求リスク)
住宅型有料老人ホーム+デイサービス一体型施設では、「入居者に多くのサービスを使わせるほど、施設グループの介護報酬が増える」という構造があります。悪意ある施設では、入居者に必要以上のサービスを組み込み、利用限度額を上限まで使い切るケアプランを組む「利用限度額まで使い切り問題」が起きることがあります。
具体的には:
- 本来週2〜3回で十分なのに、週5〜6回デイサービスに通わせる
- 訪問介護も同一法人の事業所を利用させ、必要以上の訪問頻度を設定する
- 同一法人のケアマネジャーが、意識的・無意識的に自社サービスに偏ったケアプランを作成する
これは「囲い込み問題」とも呼ばれ、国が問題視している課題のひとつです。
③ケアマネジャーの独立性の問題
本来ケアマネジャーは、入居者の利益を最優先にしてケアプランを立案する役割を担っています。しかし、施設と同一法人の居宅介護支援事業所のケアマネが担当している場合、意識的・無意識的に自社サービスを優先するケアプランになりがちです。
2021年の介護報酬改定では、こうした「囲い込み」への対策として「集合住宅減算」が強化されました。同一敷地内のデイサービスや訪問介護を利用する場合、施設側の介護報酬を減算する仕組みです。ただしすべての不適切なケアを防げているわけではないため、家族の目でケアプランの内容を確認することが大切です。
④職員の兼務による質の低下リスク
スタッフを効率的に配置できるというメリットの反面、同じ職員が「日中はデイサービス、夜間はホーム」と長時間・多業務をこなすと、疲弊や注意力の低下につながる可能性があります。特に夜間帯の人員が薄くなっていないか確認が必要です。
厚生労働省が問題視する点と行政の取り組み
厚生労働省は、住宅型有料老人ホームやサ高住と一体型施設における「囲い込み問題」「過剰サービス問題」を長年にわたって問題視してきました。
集合住宅減算の強化(2021年介護報酬改定)
2021年の介護報酬改定では、有料老人ホームやサ高住など集合住宅に居住する方への介護サービスに対して「集合住宅減算」が適用・強化されました。これは、施設側が同一敷地・隣接地の関連事業所だけを使わせることで不当に介護報酬を受け取ることを防ぐための措置です。
ケアプランの点検強化
市区町村の保険者(市町村)は、利用限度額の多くを使い切っているケアプランや、同一法人のサービスが偏って組み込まれているケアプランを重点的に点検するよう義務付けられています(ケアプラン点検)。
また、ケアマネジャーが同一法人のサービスに著しく偏ったケアプランを作成した場合、指定取り消しを含む行政処分の対象となります。
情報開示の義務化
有料老人ホームは「介護サービス情報の公表制度」により、職員配置・サービス内容・事故報告等を都道府県に報告し公表する義務があります。インターネット(介護サービス情報公表システム等)で確認できます。
施設見学・選び方のチェックリスト(12項目)
一体型施設を検討する際、以下の12項目を施設見学時に確認しましょう。
- デイサービスの定休日と、休日の介護体制(定休日に入浴・食事はどうなるか)
- デイサービスの定員数と実際の利用者数(定員に対して余裕があるか)
- 夜間・深夜の人員配置(何人のスタッフが何人の入居者を担当するか)
- ケアマネジャーの所属(同一法人か?外部の居宅介護支援事業所か?)
- 複数の外部サービスを自由に選べるか(訪問介護・訪問看護等)
- 月額費用の内訳(入居費・介護費・食費・加算等の明細)
- 過去3年間の行政処分・改善勧告の有無
- 認知症対応の経験と対応できる介護度の上限
- 退去基準(どの状態になったら退去を求められるか)
- 医療連携(協力医療機関・看護師の配置)
- ケアプランの説明と家族への情報共有の頻度
- 苦情・相談窓口と第三者委員の設置
施設に確認すべき質問集
見学の際に施設側に直接聞いてみましょう。回答の内容だけでなく、答え方・態度からも施設の姿勢が見えてきます。
- 「デイサービスが休みの日は、入浴はどこでできますか?」
- 「ケアマネジャーは御社の関連事業所ですか?外部に変更することは可能ですか?」
- 「ケアプランに外部の訪問看護や訪問リハビリを組み込むことはできますか?」
- 「夜間は何名のスタッフが何名の入居者を担当していますか?」
- 「認知症が進行した場合、退去になる可能性はありますか?どういった状態が退去の目安ですか?」
- 「過去に行政から指摘や改善命令を受けたことはありますか?」
- 「月額費用以外にかかる費用(加算・オプション等)はどのようなものがありますか?」
- 「担当ケアマネジャーとはどのくらいの頻度でカンファレンスがありますか?家族も参加できますか?」
一体型 vs 分離型、どちらを選ぶか
「一体型が良い」「分離型が良い」という絶対的な答えはありません。それぞれに特徴があり、入居者の状態や家族の状況によって最適解は異なります。
| 比較ポイント | 一体型 | 分離型(デイが外部) |
|---|---|---|
| 移動の手間 | 少ない(施設内・近隣) | 送迎に時間がかかる場合あり |
| 情報共有 | 同一法人なら円滑 | 連携次第 |
| サービス選択の自由度 | 自社サービスに誘導されやすい | 複数の選択肢から選べる |
| ケアプランの中立性 | 要確認(囲い込みリスクあり) | 比較的中立になりやすい |
| 緊急時の対応 | 施設内で素早い連携が可能 | 施設とデイで連絡が必要 |
| 費用の透明性 | 複数サービスを一括管理 | 各サービスの明細が明確 |
一体型が向いているケース:体力的に移動が大変な方、認知症が進行している方、家族が遠方で施設に丸ごと任せたい場合など。
分離型が向いているケース:自分でサービスを選びたい方、特定のデイサービス(専門的なリハビリ系デイ等)を希望する方、ケアプランの中立性を重視する場合など。
一体型施設の実態データ
厚生労働省の調査によると、有料老人ホームやサ高住と介護サービスの一体型施設の実態は以下の通りです。
- 住宅型有料老人ホームの79.1%に介護サービス事業所が併設
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の83.4%に介護サービス事業所が併設
- 介護付き有料老人ホームの23.7%(比較的少ない)
介護付き有料老人ホームの併設率が低い理由は、介護付きは施設内で直接介護を提供できる「特定施設」の指定を受けているため、外部のデイサービスと組み合わせる必要性が低いからです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 住宅型有料老人ホームに入居すると、必ず同じ施設のデイサービスを使わないといけないの?
A. いいえ、そのような義務はありません。住宅型有料老人ホームの入居者は居宅サービスを自由に選ぶ権利があります。気に入ったリハビリ特化型のデイサービスや、自分でいつも通っていたデイサービスを継続して利用することも可能です。ただし実際には「ここのデイを使うことが前提」のような雰囲気を出す施設も一部あるため、事前に確認しましょう。
Q2. ケアマネジャーを自分で選べるの?
A. 選べます。施設が「同一法人のケアマネを使うように」と強制することは違法です。ただし現実には、施設側から「うちの居宅介護支援事業所に担当してもらうのが連携がスムーズです」と勧められるケースが多いです。外部のケアマネを希望する場合は、最初の契約段階でしっかり確認しておくことが大切です。
Q3. 「囲い込み問題」って何?自分の親が被害に遭っていないか確認する方法は?
A. 囲い込みとは、施設が入居者に自社グループのサービスしか使わせず、不必要に介護報酬を受け取ることです。確認方法は以下の通りです:①ケアプランを必ずもらい、サービスの種類・回数・提供事業者を確認する、②介護保険の利用明細(支給管理票・領収書)を毎月確認する、③限度額いっぱいまで使い切っている月が続くようであれば、理由をケアマネに説明してもらう。
Q4. 有料老人ホームとサ高住はどちらが安全?
A. 一概にどちらが安全とは言えません。サ高住は賃貸借契約で退去させられにくいメリットがある一方、最低限のサービス義務が少なく、施設によって質の差が大きいです。有料老人ホームは生活支援サービスが充実している施設が多い反面、退去条件が厳しい場合もあります。施設ごとの個別の評価が重要です。
Q5. 住宅型有料老人ホームとデイサービスが一体型でも、夜間の看護師はいるの?
A. 住宅型有料老人ホームには夜間の看護師配置義務はありません(介護付きとは異なります)。夜間の医療対応は「協力医療機関」に委ねられるのが一般的です。夜間に医療対応が必要な方(胃ろう、たんの吸引等)がいる場合は、夜間の看護師配置や訪問看護の体制を必ず確認してください。
Q6. デイサービスが併設されていると、入居者が強制的に通わされることはある?
A. 強制はできません。デイサービスへの参加は入居者の意思が尊重されます。ただし、日中の見守りや入浴を「デイサービス利用が前提」とした施設運営をしている場合、利用しないと十分な支援が受けられない場面も出てきます。「デイに通わないと入浴できない」等の状況がないかを確認しましょう。
Q7. 認知症が進んだ場合、住宅型有料老人ホームは退去になるの?
A. 施設によります。住宅型有料老人ホームには退去基準の明示義務がありますが、具体的な基準は施設ごとに異なります。「要介護5まで対応可能」「認知症が進行した場合でも個別対応」という施設もあれば、「要介護3以上・認知症の行動障害(暴言・徘徊等)は退去」という施設もあります。入居前に重要事項説明書で退去要件を必ず確認してください。
まとめ
有料老人ホームとデイサービスが一体型になっている理由は、大きく次の3点でした。
- 介護保険制度の仕組み:住宅型有料老人ホームは施設内で直接介護を提供できないため、デイサービスなどの外部サービスを組み合わせる必要がある
- 人員・コストの効率化:人手不足の介護業界で、スタッフの兼務や設備共有により効率的な運営が可能
- 収益の安定化:出来高払いの介護報酬により、同一グループが複数のサービスを提供することで安定した収益が得られる
一体型施設は利用者・家族にとっても便利な面がありますが、「囲い込み」「過剰サービス」「ケアプランの中立性」といったリスクも存在します。
施設を選ぶ際は、パンフレットや見た目だけでなく、今回紹介したチェックリストや質問集を活用して、実態をしっかり確認することが大切です。何より「入居者本人が安心して暮らせるか」「家族が納得できるか」を軸に施設選びを進めてください。

コメント