訪問看護と訪問リハビリの違いとは?制度・体制・利用方法をやさしく解説

「訪問リハビリ」と「訪問看護でのリハビリ」、どちらも自宅でリハビリを受けられる制度ですが、制度・体制・目的がまったく異なります。

違いを理解せずに選ぶと「こんなはずじゃなかった…」となることも。
この記事では、制度の仕組み・提供職種・費用・選び方のポイントをわかりやすくまとめます。


目次

訪問看護の中で行うリハビリとは?

  • 訪問看護ステーションが提供するサービスの一環として行われます
  • 医師の訪問看護指示書に基づき、PTやOTがリハビリを実施
  • 原則として看護師が在籍している事業所で提供され、看護+リハビリが一体で受けられるのが特徴

📌【こんなときに】

  • 退院直後で医療管理が必要
  • 看護的処置と並行してリハビリを受けたい
  • 看護と機能訓練を同時に進めたい

医療保険で使う「別表7・8」とは?

訪問看護を医療保険で利用できるかどうかは、指示書上の「別表7」「別表8」の該当有無で変わります。

  • 別表7:特別訪問看護指示書が必要な疾患(がん末期など)
  • 別表8:週4回以上の訪問が可能な特定疾患(ALS、パーキンソン病など)

📌 該当あり → 医療保険での訪問看護が可能
📌 該当なし → 原則は介護保険(要介護認定・支給限度額内での調整が必要)

👉 出典:厚生労働省資料(訪問看護療養費の取扱い)


訪問リハビリテーションとは?

  • 病院・診療所・介護老人保健施設などの医療機関が提供
  • 介護保険が主な制度(要介護または要支援の認定が必要)
  • 医師の指示に基づき、PT・OT・STが生活機能改善を目的に訪問

📌【こんなときに】

  • 退院後、自宅で日常生活動作の改善をしたい
  • リハビリに特化したサービスを受けたい
  • 看護処置は必要なく、運動・訓練が中心

管理者の資格も違う

比較項目訪問看護ステーション訪問リハビリテーション
管理者原則:看護師(保健師含む)医師またはPT・OT・ST
提供視点医療的ケア+看護的支援中心機能訓練に特化した構成

📌 この体制の違いにより、報告書の視点や支援の中心軸にも差が出ます。


一覧で比較してみよう

項目訪問看護のリハビリ訪問リハビリテーション
提供主体訪問看護ステーション医療機関・老健など
対象保険医療保険 or 介護保険原則:介護保険
訪問者看護師+PT/OTPT/OT/ST(看護なし)
管理者看護師医師またはリハ職
計画作成訪問看護計画書リハビリ計画書

利用の流れ

▶ 訪問看護リハ

  1. 医師から訪問看護指示書が出される
  2. 訪問看護ステーションと契約
  3. 看護師・リハ職が訪問開始(頻度・内容は個別調整)

▶ 訪問リハビリ

  1. ケアマネジャーに相談
  2. 主治医が指示書を発行
  3. 医療機関と契約、リハ職が訪問

まとめ

「訪問看護の中のリハビリ」と「訪問リハビリテーション」は、制度・職種・目的の軸が異なります。
それぞれの違いを理解することで、必要な人に必要な支援を届ける第一歩になります。

ケアマネジャーや主治医と相談しながら、利用者の状態・目的に合った制度選択を進めましょう。

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この記事を書いた人

はじめまして。
当ブログ「ひとりじゃない おうち介護」運営者の とっちゃん です。

介護福祉士と作業療法士の資格をもち、これまで医療・介護の現場で10年以上の経験を積んできました。
現場では、在宅支援、施設ケア、認知症ケアに携わる一方、訪問看護ステーションにて管理者補佐として裏方業務・請求業務にも従事してきました。

このブログでは、

在宅介護に悩むご家族の方へ:制度や支援、ケアのコツをわかりやすく

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学生・試験勉強中の方へ:国家試験や実習のサポートになる情報も

それぞれの立場に寄り添った情報を発信しています。

制度の仕組みやケアの工夫は「知っているかどうか」で支援の質が変わります。
「ひとりじゃない」と思える情報発信を目指して、ていねいに更新していきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

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